第88話

近衛兵詰所

「おはよう」ジョシュアは自身の部隊と、もうすぐ元近衛兵となる者たちを見渡して言った。

「近衛兵諸君、君たちは王家をいかなる危害からも守ると誓ったはずだ。たとえ負う傷がせいぜい紙で指を切る程度だとしても、その誓いを証明する機会が欲しいだろう」ジョシュアの言葉に、数人がくすくすと笑った。

彼は目の前の男女を三つのグループに分けた。近衛兵隊長が一つのグループを、ジェスパーが二つ目のグループを任され、最後のグループはジョシュア自身が率いることになった。

「各チームは、王家の方々が長老たちと会合している間に、王宮のそれぞれ異なる区画を捜索する。彼らは我々のためにできるだけ時間を稼いでくれる...

ログインして続きを読む