第91話

西棟

一部の長老たちが自宅軟禁に不満を抱いていることなど、天才でなくともわかることだった。

会議に出席した者は全員が西棟へと案内されたが、少なからぬ者が異議を唱えようとした。しかし、守護者たちは誰一人として応じない。

五つの家族がメインのリビングルームに入り、残りの家族はそれぞれの長老に従って自室へと向かう。その部屋は、長老たちが夜更かしをした日や、早朝の会合がある日にしか使わない部屋だ。

ドーン長老は最上階にある自室へと一直線に向かい、その後ろを父親がぴったりとついていく。発見された物が自分の部屋から持ち去られたものだと彼女はわかっていたが、自分が不注意でそれを無造作に放置していた...