第93話

ダリウス視点

メイトと兄弟の寝息に耳を澄ます。またもや素晴らしい夜の眠りから覚めたばかりの俺は、目を閉じたまま横になり、周囲の音に耳を傾ける時間をとっていた。

ここ数日は、まさにジェットコースターのような目まぐるしい日々だった。ベータとしての長年の経験の中で、俺は様々なレベルの裏切りに遭遇してきたが、いつかこれよりも酷いものに出くわすことがあるのだろうかと、常々考えていた。

どうやら、ついにそれよりもっと酷いものを見つけてしまったらしい。それがもっと酷いのは、王国全体を揺るがし、しかも一世代以上にわたって続いてきたからだ。

俺たちは、この発見にどう対処すべきか、王国中にどうやって公表...