第10章

 それでも藤堂延は引かなかった。

 一週間後、石油王モルガン氏が主催するジュエリー鑑賞会が開かれた。

 彼のミューズとして招待された私は、主賓席に座っていた。

 藤堂延もまた、そこについて来ていた。

 その会場で、私は白鳥知世の姿を見つけた。

 三年前、藤堂延は罰として白鳥家の資金ルートを全て断ち切ったはずだ。

 今の彼女は、どこかの富豪の愛人として連れて来られたようだった。

 彼女も藤堂延に気づいた。

「延くん! あなたなの? どうしてここに?」

 藤堂延の視線は、私に固定されたままだ。

 白鳥知世はその視線を追い、私を見て絶叫した。

「雨宮……寧音!? 死んでなかっ...

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