第6章

 半月の入院を経て、ようやく退院の日が来た。

 医師からは、足の怪我だけでなく妊娠中であるため、くれぐれも安静にするよう念を押された。

「はい、分かっています」

 そう答えたものの、退院の三日後が白鳥知世の誕生日であることを私は知っていた。

 藤堂延は彼女のために豪華客船を貸し切り、盛大なパーティーを企画していた。そして、私をその船に乗せたのだ。

 好都合だ。私の計画には、この舞台が一番相応しい。

 湾岸の夜空を花火が白昼のように照らし出す。私は甲板の縁に立ち、海風にドレスの裾をはためかせていた。

 白鳥知世は祝福の中心にいて、その隣には藤堂延が寄り添っている。実にお似合いの二...

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