第6章

堀込さんには、またしても断られてしまった。

私は膝を抱え、涙がまた込み上げてくるのを感じた。

「でも……この間、攻略任務をやりたいかって訊いてくれたじゃないですか」

私は声を潜め、恨めしそうに抗議した。

堀込真啓は僅かに身を翻す。その動きでスーツのボタンが不意に引きちぎれ、畳の上に落ちた。

彼はそのボタンに目をやったが、腰を屈めて拾おうとはしなかった。

「攻略任務のキャンセルはできない。だが、先に練習をしてみることは可能だ」

彼は不意にそう言った。その眼差しには、私には読み取れない感情がよぎる。

「俺を相手に」

私は驚いて顔を上げた。聞き間違えたのではないかと...

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