第43章

目を覚ますと、もう翌日の朝早くだった。あくびをしながら目を開けると、海子はもう隣にいなくて、枕元には海子の体香が残っていた。リビングルームから食器がぶつかり合う音が聞こえてきて、きっと海子がもう朝食を作り終えているのだろう。

パジャマを着て部屋を出ると、父が食卓に座って私の食事を待っていて、海子が牛乳を持ってキッチンから出てきた。ただ、私が部屋から出てくるのを見た二人の目に、一瞬慌てたような不自然な色が浮かんだのに気づいた。少し奇妙に感じたが、私は何も表に出さなかった。洗面を済ませて食卓に座り、父と海子と一緒に食事をしたが、二人の口調や視線がどこか不自然で、少し変だった。心の中の疑問がさら...

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