第44章

心中の疑念を抱えて家に帰ると、海子は以前と同じように玄関で私を迎えてくれた。父は石膏で固められた両手を吊りながら、ソファに座ってテレビを見ている。食事の時、私の注意は終始海子と父の表情に向けられていた。一日の調整を経て、二人が私と向き合う時のあの慌てふためきや不自然さはもうなくなっていた。ただ、海子と父が互いに話をする際、お互いを見つめる眼差しの中に、以前よりも一層の優しさが宿っていた。その優しさ以外にも、何か別のものが混じっているようだったが、それが何なのか、私には理解できなかった。

ようやく夜になって海子と父が眠りについてから、私は待ちきれずにパソコンを開き、昨夜の父の寝室のビデオを再...

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