第82章

私と海子は荷物を揃えて出発した。道中、ずっと海子が父にどんな贈り物を渡すのか考えていた。あんなに神秘的で、しかも父に私の前で開けてもらうつもりなのだろうか?好奇心はあったが、追及はしなかった。あまり好奇心を見せすぎると、何かしらの痕跡を露呈してしまう可能性があるからだ。

ようやく船で中州の島に着き、海子と一緒に父の小屋に入った。父を驚かせたかったので、事前に電話で二人が行くことは伝えていなかった。小屋に入ると、父は一人でエプロンを着けて、白い粉まみれの手で餃子を包んでいた。ただの水餃子だった。それ以外に、他の料理は何も作っていなかった。

父は私と海子が突然入ってきたのを見て、餃子を包んで...

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