第7章

地下室から響くドミニクの咆哮が聞こえた。その声は手負いの獣のごとく、怒りと絶望に満ちていた。私は階段の最上段に立ち、階下から聞こえる悲鳴に耳を傾けていたが、心は奇妙なほどに凪いでいた。

ついに、最後の幕が上がった。

地下室へと続く石段は狭く、一歩踏み出すたびに私の足音が静かに反響する。壁には蝋燭の明かりが踊る影を落とし、空気は血と絶望の匂いで淀んでいた。赤熱した金属のツンとする匂いが鼻をつく――ドミニクは祖父の代から伝わる十字架の焼き鏝を使っているのだ。

「吐け!」ドミニクの声が雷のように轟いた。「どこの馬の骨の子を孕んだ!」

私はワインセラーの石柱の陰に身を潜め、事の成り行...

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