第10章

心が死に絶えた彼女の声は、さざ波ひとつ立たないほど平坦だった。

「腕輪は……私が以前使っていた部屋にあるわ。ナイトテーブルの下に隠し棚があって、そこに入れたから。自分で取りに行って」

鴉崎響は彼女のあまりにあっさりとした物言いに、思わず言葉を詰まらせた。

すぐに気を取り直し、彼は鼻で笑った。

「俺の物を、なぜ俺が取りに行かなければならない? お前が直接持って来い!」

直接持って行く?

彼の目の前で? そしてまた彼と月見光に、自分の無様な姿を晒せというのか?

月見華は自嘲気味に笑い、静かに告げた。

「鴉崎響、私はもう目が見えないの。持って行くことはできないわ」

そう言い捨てる...

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