第13章

「ありえない!」

鴉崎響は反射的に、声を荒らげて否定した。

「当時のことは、一度や二度じゃない、何度も調べさせたはずだ!」

あの時、飛んでくる凶器から身を挺して俺を庇ったのは月見光だ。

八朔家による危機が迫った際、危険を顧みずにこっそりと情報を流してくれたのも月見光だったはずだ。

そこに、月見華が関わっているはずなどない。

彼は間違いなく裏付けを取っていた。

それなのに今、八朔綾人の言葉によって、その確信が揺らぎ始めている。

ふと、古い記憶が蘇る。

恐怖で意識を失う寸前に感じた、あの温もり。

自分を目掛けて飛んでくる何かを、小さな女の子が飛び出してきて受け止めてくれた光景...

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