第20章

彼女は肉体的な限界を超え、そして己自身にも打ち勝ったのだ。

去り際、月見華は鉄扇に礼を述べた。

「鉄扇さん、本日はお招きいただき感謝いたします。長居もご迷惑でしょうから、提携の詳細についてはまた後日、お時間をいただけますでしょうか」

鉄扇は頷いて承諾し、自ら彼女を玄関まで見送った。

鉄扇の家を辞し、車のシートに身を沈めて初めて、月見華はほうと小さく息を吐いた。

鴉崎響や月見光との腹の探り合いは、一瞬たりとも気が抜けない。それはまるで、切っ先の上で踊り続けているかのような、神経を削る行為だった。

彼女は運転手に告げた。

「西山霊園へ」

帰ってきた以上、行かなければならない場所が...

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