第23章

月見華はその言葉を聞くと、洗面台の鏡から顔を上げ、鏡越しに艶やかに微笑んだ。

「月見さんこそ、何を仰るんです? 私は嬉しくてたまりませんよ。『落日の庭園』にあれほどの高値がついたのですから。朝霧家の光栄ですわ。

それに何より、この売上金はすべて貧しい地域の子供たちの芸術教育に使われるのです。あなたは素晴らしい善行を施したのですよ」

その声は鈴を転がしたように澄んでおり、心からの喜びが滲んでいるように聞こえた。

対する月見光は、呆気にとられたように固まった。

「……なんですって? あなたたち、朝霧家が……どういう意味?」

月見華は口元に微かな笑みを浮かべる。

「あら、月見さんはご...

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