第25章

「ありえない! あの子がどうやって……たった一人で……」

月見華の声は、形を成さないほど震えていた。

「俺と祈里で今、空港へ向かっている。空港警察と航空会社には既に連絡済みだ。Z国行きの全便を緊急捜索してもらっている。華ちゃん、落ち着いてくれ。心ちゃんは賢い子だ。きっと何か考えがあって……必ず見つけ出す。約束するよ」

八朔綾人の言葉は力強く、彼女に勇気を与えようとしていた。

「電話は? あの子の携帯にはかけたの?」

月見華は、心ちゃんに持たせている子供用スマートフォンのことを思い出した。

「かけた。ずっと繋がらない。GPSの信号は団地近くの公園で途切れている。自分で電源を切ったか...

ログインして続きを読む