第31章

「待って。場所を送ってくれる? 今すぐそっちに行くから!」天ノ川夢乃が興奮気味に言った。

「だめ、夢乃、来ないで!」月見華は慌てて止めた。「こっちはちょっと……事情が複雑なの。今は家には呼べない」

「えっ?」

「会って話しましょう。私の画廊で。住所を送るわ。明日の午後三時でどう?」彼女は深呼吸をして言った。

「分かった! 絶対に行く!」天ノ川夢乃は即答した。

翌日の午後、心知ギャラリーにて。

二時半には、もう天ノ川夢乃が姿を見せていた。

綿麻のロングスカートにニットのカーディガンを羽織り、相変わらず文系少女といった装いだ。

視線が交差する。

次の瞬間、天ノ川夢乃が突進してき...

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