第5章

「終わったわ、小山さん。私……少し一人になりたくて。後で帰ります」

彼女は努めて普通の声を装った。

電話を切ると、月見華は誰もいない公園でついに声を上げて泣き崩れた。

夕闇が迫り、公園の街灯が点灯する。彼女のぼやけた視界の中で、それは滲んだ光の輪となった。

月見華はゆっくりと立ち上がり、スーツケースを引きずりながら、足を引きずって小山の家の方角へ歩き出した。

小山はとっくに心配顔で、建物の下を行ったり来たりしていた。

彼女は今や身寄りがなく、大学生の孫がたまに来るだけだ。

月見華は離婚前もよくここへ来ていた。今や彼女の結婚生活は破綻し、体もこんな状態になってしまった。小山の心はナイフで切られるように痛み、ずっとここに置いて世話をしてあげたいと願っていた。

月見華の透明なほど青白い顔色と、膝の痛々しい痣や擦り傷を見て、小山は黙って駆け寄り、スーツケースを受け取った。

家に戻り、傷の手当てをする。

「華ちゃん、まずはここでゆっくりしなさい。お金のことは心配しないで、私にも蓄えがあるから」

彼女の声は慈愛と心配に満ちていた。

「しっかり休んで、何も考えないで」

月見華は虚ろな右目で小山を見つめ、安心させようと笑顔を作ろうとした。

だが、口元が力なく引きつっただけだった。

「ありがとうございます……またご迷惑をおかけして」

「バカな子ね、私にそんなこと言うなんて」小山はため息をつき、くれぐれも休むようにと言い聞かせた。

ドアが閉まり、外界のすべてが遮断された。

月見華は疲れ果ててベッドの端に座り込んだ。左目の痛みとぼやけは以前より酷くなっている。

擦りむいた膝の痛みと共に、彼女の体を打ちのめす。

今この瞬間、ただ果てしない闇に沈んでしまいたい。

眠ってしまえば、痛みを感じなくて済むかもしれない。

しかし、耳障りな携帯の着信音が安らぎを許さなかった。

画面に点滅する「お母さん」の文字は、冷たい針のように心臓を刺し、動悸を引き起こす。

彼女は迷い、指先を震わせたが、結局通話ボタンを押した。

「月見華! この疫病神! 一体また何をしたの!?」

藍原蛍の金切り声が瞬間的に炸裂し、鼓膜を突き破らんばかりに響いた。

「鴉崎響がさっき人を寄越して、すべての取引を停止するって言ってきたのよ! しかも業界中に、月見家と関わる者は彼に敵対するとみなすって触れ回ってる! 会社はもうすぐ倒産よ! 家族全員を殺す気!?」

月見華の心臓は、見えない手で強く握りつぶされたようだった。

「月見光は? 彼女がとりなしてくれなかったの?」

これまで月見家が鴉崎響の怒りを買った時は、月見光が諫めれば、大抵は怒りを鎮めることができた。

だが電話の向こうで、藍原蛍は金切り声で罵った。

「よくも言えたわね! 今回あんたが離婚だなんて騒ぎ立てたせいで、鴉崎響は光ちゃんの顔さえ立ててくれなくなったのよ!」

窒息しそうな痛みが広がる。

彼は……やはり月見家を許すつもりはないのだ。

離婚しても、彼の憎しみは少しも減るどころか、さらに激化している。

「お母さん……私……」彼女は口を開こうとしたが、声は紙やすりのように乾いていた。

「私じゃないわよ! あんたが役立たずで、男の心を掴めない上に、死んだような顔をして人を不愉快にさせるからこうなったのよ! 離婚しても自分の利益一つ守れないなんて、本当にクズね! 最初から絞め殺しておけばよかった。そうすれば一家離散なんてことにならずに済んだのに!」

月見華は口を開きかけた。自分が現れれば鴉崎響はさらに怒り、月見家にとって不利になると言おうとした。

だが結局、すべての言葉は声にならない涙に変わった。

絶望が潮のように彼女を飲み込む。

最後の力を失い、彼女は黙って電話を切った。向こうの咆哮が唐突に途切れる。

世界は完全に静まり返った。

そして完全に、灰色になった。

左目の状態は急速に悪化した。

痛みは同側の頭部にまで及び、断続的な目眩が吐き気を催させる。

翌日、小山の強い要望と心配そうな付き添いのもと、彼女は病院へ行った。

一連の煩雑な検査の後、医師は画像を前に深刻な表情を浮かべた。

「月見さん、状態は良くありません。もともとの弱視は外傷による視神経の損傷が原因でしたが、現在はさらに深刻な続発性の問題を引き起こしている可能性があります。検査の結果、視神経の萎縮と圧迫が進行しており、周辺の神経系にも影響が出ています……」

医師の言葉は途中からぼやけて聞こえ、いくつかの単語しか拾えなかった。

不思議なことに、「死ぬかもしれない」という結論を聞いても、彼女の心はそれほど波立たなかった。

長年の不運で、苦痛に対して神経が麻痺してしまったのかもしれない。

死という言葉は、むしろ救済のように響いた。

静かに医師に礼を言い、重い検査結果の束を持って、彼女は診察室を出た。

「おや、月見のお嬢様じゃないか。離婚手続きが終わったばかりで、もう病院通いか? 今度はどんな可哀想なふりをして響の同情を引くつもりだ?」

前方から、聞き覚えのある不快な声がした。

月見華は顔を上げた。

ぼやけた視界の中に、辛うじて鴉崎響の友人の一人、空見涼弦の姿を認めた。

彼はポケットに手を突っ込み、嘲るような顔で彼女を見ていた。誰かのお見舞いに来て、偶然彼女に出くわしたらしい。

月見華は相手にしたくなくて、うつむいて通り過ぎようとした。

今の彼女には、悪意や嘲笑に対応する気力など残っていない。

「無視か? 図星だったか? 月見家の人間は上から下まで、老いも若きも同じ穴の狢だな。演技と同情を買うことしか能がない……」

空見涼弦はしつこく、一歩横に動いて彼女の行く手を阻み、言葉はさらに辛辣になった。

「空見涼弦、戯言もいい加減にしろ」

落ち着いた男の声が割って入った。拒絶を許さない威厳がある。

月見華が声の方を見ると、背の高い人影が近づいてきて、彼女と空見涼弦の間に立ったのがぼんやりと見えた。

空見涼弦は意外そうだった。「綾人? どうして……」

「ここは病院だ。静かにしろ」

男の声は大きくないが、威圧感があった。

「月見さんの顔色を見ろ。本当に具合が悪いんだ」

空見涼弦は八朔綾人を少し恐れているようで、口をへの字に曲げ、「お節介な」と呟いてすごすごと立ち去った。

八朔綾人はそこでようやく振り返り、月見華を見た。

彼の視線は、彼女の血の気のない顔に注がれ、眉がわずかに寄せられた。

その瞳には、誰にも気づかれない複雑な感情が流れていた。

「月見華、大丈夫か?」

彼の声はとても穏やかで、安心させる力を持っていた。

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