第7章

一瞬、心臓を氷の刃で貫かれたような錯覚に陥り、呼吸さえもが血の味を帯びた。

離婚届を出したばかりだというのに、彼はもう……しかも相手は、あろうことか実の妹だなんて。

巨大な羞恥と絶望が、瞬時に彼女を飲み込んだ。

月見華はそのシャツを死に物狂いで握りしめた。指の関節が白く浮き出るほど強く。それでも、表情だけは能面のように崩さない。

最後の力を振り絞って維持した平静な声が、自分の口から出るのを聞いた。

「鴉崎社長、私たちはもう離婚しました。私には、あなたのためにそんなことをする義務はありません」

「義務がない?」

鴉崎響は猛然と彼女の肩を掴んだ。骨が砕けそうなほどの力だ。

「月見...

ログインして続きを読む