第20章

「そうだ、今晩私たちが行くときは三人だけど、電動バイクでは乗りきれないわ。あなた、レンタカー屋に行って車を借りてきてくれる?」

高橋祐介が電話を切ろうとしたとき、藤原未咲の声が聞こえてきた。

その言葉を聞いて、高橋祐介はあることを思い出した。

この数年間、彼らが稼いだお金はほとんど小林美穂に渡していた。

しかし小林美穂は数千万を投資に使うことは惜しまないくせに、彼らのことは一度も考えたことがなかった。

電動バイクは夏場はまだいいが、雨の日や冬になると寒くて大変だ。

高橋祐介はすぐに心の中で決めた。

そろそろ車を一台購入する時期だと。

「わかった、すぐに見てくるよ。どんな車がい...

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