第23章

しかし山田剛の心の中では、もし本当に昌栄グループの内部の人間が手を下したのなら、彼らが手助けしようとしても手が出せないだろうということも分かっていた。

「高橋さん、佐藤さんに電話して、人を呼んでもらいましょうか?」

山田剛は自分では力になれないが、佐藤立夫はS市でこれだけ長く足場を固めてきたのだから、きっと自分なりの人脈関係があるはずだ。

高橋祐介は、この山田剛がここまで気を遣ってくれるとは思っていなかった。心の中で佐藤立夫への好感度もかなり上がった。

「その件は佐藤さんに迷惑をかけなくても大丈夫です!私にも方法がありますから!」

高橋祐介は山田剛に優しく微笑みかけた。

高橋祐介...

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