第25章
「せっかくの同窓会なのに、そんなに急いで帰るなんて?」
ちょうどその時、小林智子が二人の前に立ちはだかった。
濃いメイクを施した顔には、わずかな軽蔑の色が浮かんでいた。
「見なさいよ、二人とも惨めな姿で、よくも桜宮レストランなんかで食事しようと思ったわね!私なら、こんな格好じゃ小さな定食屋でさっさと済ませるわよ!」
そう言いながら、小林智子は藤原未咲のドレスを嫌そうに見つめた。
「間違ってなければ、それって一昨年のデザインよね!今年もまだ着てるの?新しいの買えないからなの?」
彼女は学生時代から藤原未咲が嫌いだった。
それは藤原未咲が美しいからだけでなく、彼女の家が裕福だったか...
ログインして続きを読む

チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章

6. 第6章

7. 第7章

8. 第8章

9. 第9章

10. 第10章

11. 第11章

12. 第12章

13. 第13章

14. 第14章

15. 第15章

16. 第16章

17. 第17章

18. 第18章

19. 第19章

20. 第20章

21. 第21章

22. 第22章

23. 第23章

24. 第24章

25. 第25章

26. 第26章


縮小

拡大