第25章

「せっかくの同窓会なのに、そんなに急いで帰るなんて?」

ちょうどその時、小林智子が二人の前に立ちはだかった。

濃いメイクを施した顔には、わずかな軽蔑の色が浮かんでいた。

「見なさいよ、二人とも惨めな姿で、よくも桜宮レストランなんかで食事しようと思ったわね!私なら、こんな格好じゃ小さな定食屋でさっさと済ませるわよ!」

そう言いながら、小林智子は藤原未咲のドレスを嫌そうに見つめた。

「間違ってなければ、それって一昨年のデザインよね!今年もまだ着てるの?新しいの買えないからなの?」

彼女は学生時代から藤原未咲が嫌いだった。

それは藤原未咲が美しいからだけでなく、彼女の家が裕福だったか...

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