第43章 宗助おじさん早く来てママを助けて

松見友樹は両手をきつく小さな拳に握りしめ、目には強い意志が宿っていた。彼は振り返ると、走り出した。

西尾美月はそれを見て、すぐに前に出て松見友樹を捕まえようとした。「そこに立ちなさい」

松見友樹は振り向くと、西尾美月の腕をつかんで思い切り噛みついた。

「あっ!」西尾美月は大きな声で叫び、力任せに松見友樹を振り払った。

大人と子供の力の差は歴然としていて、松見友樹はその勢いでよろめき、後頭部がテーブルの角に直撃した。

鈍い痛みが走り、小さな体は痛みで瞬時に涙があふれたが、彼は歯を食いしばり、必死に立ち上がった。

外に出なければ。哲也に電話して、ママに伝えてもらわなければ。この二人の...

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