第47章 松見和也の怒り

西尾美月の目に一筋の光が浮かんだ。「篠崎沙耶香よ、和也。昨夜、篠崎沙耶香から電話があって、あなたが彼女のところで倒れたって。私たち、篠崎沙耶香が腹黒いって知ってるから、あなたに何かするんじゃないかって心配して、急いであなたを探しに行ったの」

「でも道中であの謎の男に出くわすなんて思わなかったわ。和也、昨夜どうして篠崎沙耶香のところにいたの?心配だったのよ」

西尾美月はそう言いながら、松見和也の顔をじっと見つめた。言葉の端々に濃厚な暗示を含ませ、昨夜なぜ篠崎沙耶香のところにいたのか説明してほしいという願いを滲ませていた。

松見和也はそれを聞いても、特に多くを語らず、説明もせずにただ言った...

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