第180章命をかけた人生

リースの問いに、マルコムは鼻で笑いながら答えた。「リース、君は俺の妻だ。君を信じられなくて、一体誰を信じろと言うんだ?」と彼は問い返した。

その宣言を聞いたリースは、マルコムが思わず息をのむほど、まばゆく見事な笑い声を上げた。それは彼が今まで見たことのない、心からの無防備な彼女の一面だった。

しかし、マルコムがその笑い声に心を奪われる前に、妹のアリッサの声が彼を現実に引き戻した。「兄さん、決断が必要よ。今すぐに」

はっと我に返ったマルコムの眼差しが、真剣なものに変わる。「リースに任せろ。フリン爺様にもしものことがあれば、俺が全責任を負う」

彼らを取り囲んでいた親戚や友人たちは唖然とし...

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