第200話微笑む死神

研究所に足を踏み入れると、リースはロバートの姿に迎えられた。彼が引退していなければ、今でも医学界で引く手あまたの存在だっただろう。

中に入るやいなや、彼女は「ロバートおじいちゃん」と嬉しそうに声をかけた。

ロバートがリースに会うのはしばらくぶりだったが、彼はいつも彼女の訪問を心待ちにしていた。特に、彼女と医学知識や学術的な問題について議論するのを楽しみにしていたのだ。彼女が投げかける質問や導き出す結論は、いつも彼を驚かせた。

長年医学に携わってきた彼から見ても、リースは稀有な存在だった。天賦の才と知性に恵まれ、その思考方法は称賛に値するものだった。

長年にわたり、彼女が医学分野にもたら...

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