第216章気を散らすマルコム

リースとマルコムが部屋に戻ると、アリッサも後を追おうとしたが、ドアの前でぴたりと止められた。

「何をしている?」

アリッサはいたずらっぽく笑った。「ちょっとリースとおしゃべりしに来ただけよ」

「俺がここにいるのが見えないのか?また見せつけられたいとでも?」

マルコムの視線は挑発に満ちており、アリッサは言葉を返すことができなかった。

彼女はぷんと鼻を鳴らした。「タフガイ気取り?いいわ、あなたがいなくなったらまた来るから」

そう言うと、アリッサは踵を返し、ぶつぶつと文句を言いながら去っていった。

「私が男だったら、あなたになんて勝ち目はないわよ。リースと結婚するのは私だもの。今どき、...

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