第225章妻と恋愛するという大胆さ

間一髪、リースは間仕切りに気づき、素早くその陰に身を隠した。

オフィスのドアがきしんで開き、マルコムが悠然と入ってきた。書類を取りにデスクへ近づいたとき、彼は自分のノートパソコンに奇妙な点があることに気づいた。しかし、彼の注意はすぐに逸れた。目が覚めてから間もなく、妻のリースが姿を消していることに思い至ったのだ。単なる勘か、それとも誰かが自分のコンピューターをいじったのか?

間仕切りの陰に隠れながら、リースは狭い隙間からかろうじてマルコムの姿を窺った。拳を固く握りしめ、最後にこれほど不安になったのはいつだったか思い出そうとする。以前の彼女なら、対立も大胆に乗り越えてきたはずなのに、なぜ今は...

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