第239話絶対自分を見失わないで

「いや」とリースはきっぱりと言い放った。不利な立場に置かれることを、彼女は決して受け入れない。素早い動きで、彼女は彼の身体を乗り越え、その上に跨った。

これほど大胆で積極的な態度は、他の男なら気後れさせ、出しゃばりすぎだと評したかもしれない。だが、マルコムは違った。彼は彼女のその開放性を喜び、自分への信頼の証として慈しんだ。

彼は彼女の細い腰を抱き、欲望に燃える瞳で、深く、そして有無を言わせぬ声で言った。「なあ、おまえのその姿は、俺だけのものだ。分かったか? 他の男の前でこんな風になるのは許さない」

彼女が自分と別れ、他の男に同じような無防備さを見せるなど、考えただけで狂気の淵に追いやられそう...

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