第45章

「かんがえたことがあるの?もし彼女が欲しいのはお金や地位ではなく、愛情なら」

坂田和也は鼻で笑った「破産した家の令嬢が、愛情なんて語る資格があるのかよ」

「わかったよ」田中裕也はため息をついた「お前の性格はよく知っている。一度決めたら誰も止められない。じゃあ、ここで祈っておくよ...すべてが順調に、思い通りになりますように」

「願わくは」

順調に進むことを願うが...それは少々難しいかもしれない。

坂田和也も予想していなかった。佐藤家のおとなしく大人しい不遇の令嬢が、実際にはこれほど芯の強い女性だったとは。

「行こうか」彼は立ち上がり、煙草の吸い殻を消した「もう遅い時間だ」

二...

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