第59章

「もちろん、今回のスポークスパーソンはあなたです。坂田グループから坂田社長が今回出席すると連絡があったのであれば、彼のスケジュールにはきっと入っているはずで、理由もなく欠席するとは考えにくいのですが」

「そう」田中裕也は頷いた「実は坂田社長は、私用のため、駆けつけることができませんでした。ここで、彼の出席を楽しみにされていた皆様に、お詫び申し上げます」

「差し支えなければ、どのような私用でしょうか?坂田社長は就任以来、基本的に約束を守り、言葉を反故にしたことはないと思いますが」

「ええ、以前の坂田社長は確かに言行一致でしたが、人は変わるものですよね」田中裕也はわざと言葉を濁した「あれは...

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