第126章 この犬の心、ハトよりも多い

兄に追い出されるのが怖くなければ、間違いなく母さんに教えてやっただろう。寝室に女が一人隠れている、と——。

「……」

 相沢夫人は眉をひそめる。もう寝たというのか?

「……」

 部屋で聞き耳を立てていた浜野南は歯ぎしりした。相沢颯馬、あのクソ野郎。後で何か頼み事があっても絶対に助けてやらない!

 口は悪いし、陰で人を刺すなんて。いつか必ず懲らしめてやる。

「彼女とは避妊してる。もし妊娠したとしても、産ませるつもりはない」

 相沢直希は弟を一瞥し、母に落ち着いた声で告げた。

 その言葉を聞いた浜野南は唇を尖らせる。誰があんたの子なんて産んでやるもんか。

 息子の言葉を聞いた相...

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