第6章

 玲奈視点

 翌朝早く、私たちは裏庭で訓練を始めた。

 「最高の諜報員は、誰にも気づかれない者のことだ」晴人は説明した。「君の年齢と性別は、ここでは有利に働く。人は若い女の子を見過ごしがちだからな。特に、男社会の環境では」

 「お父さんの組織みたいに?」

 「その通り。君が聞き耳を立てていたり、情報を集めているなんて疑いもしないだろう」

 それからの日々、私たちの生活は新たなリズムを刻み始めた。朝は訓練、午後は学校、そして夜は集めた情報を一緒に分析する。晴人のパートナーである大輔さんも頻繁に訪れ、新しい情報や機材を持ってきてくれた。

 驚いたのは、私がその生活にすぐ順応したことだ...

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