第100章 お返しにパンツ

彼女は分かっていた。この男が自分に心底よくしてくれていることを。

だから彼女も遠慮はしない。単刀直入に言った。

「じゃあ、私からはパンツを一枚プレゼントするわ」

江口匠海は虚を突かれたように一瞬固まり、それから吹き出した。

彼は彼女を見つめた。その眼差しには、呆れと溺愛が入り混じっている。

「お前、腹の中がスケスケだぞ」

だが拒絶する気配はない。むしろ、そんな彼女を愛おしくてたまらないといった様子だ。

男は口元をわずかに引きつらせつつも、面白がるような笑みを浮かべた。

「パンツ一枚だけか?」

彼は片眉を上げ、田中春奈に続きを促す。

田中春奈はきょとんとした。これでも不満な...

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