第109章 ベッドを合わせる

江口匠海は彼女がびくびくしているのを見て、わざと手を挙げ、スピーカーボタンを押してマイクを彼女に向けた。

「爺さん」

「匠海、夢じゃないだろうな! 本当にお前、春奈ちゃんと一緒になったのか?」電話の向こうから、江口爺さんの明らかに震えた声が聞こえてきた。

「見間違いじゃないよ。俺たちは付き合ってる」江口匠海は笑って答え、横目で隣の女をちらりと見た。

田中春奈はその視線に導かれるように彼の方へ歩み寄り、その膝の上に座ると、潤んだ瞳で彼を見つめた。「お爺さん」

「春奈ちゃんか、匠海のそばにいるのか?」江口爺さんの声には喜びが滲んでいた。

「爺さんに教えてくれ。いつ結婚するつもりなんだ...

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