第139章 一緒に地獄に落ちる

田中由衣は怒鳴り込もうと踏み出しかけたが、ふと思い留まった。

今日から自分には、もうわがままを言う資格などない。生きることさえ危うい状況なのだ。「贅沢に慣れるのは早いが、質素に戻るのは難しい」とはよく言ったもので、今の彼女にはその言葉が重くのしかかっていた。

この半年間、彼女には友人らしい友人もおらず、家族とも音信不通だった。もともと極度のエゴイストである彼女は、良いものを他人に分け与えることなど決してせず、自分だけの快楽を貪り、家族への援助など一銭もしてこなかった。そのせいで、実家は今もなお赤貧を洗うが如く、両親は日々の食事にさえ困る生活を強いられている。

一方、彼女自身はどうだった...

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