第145章 これにも嫉妬?

田中春奈は迷いなく、江口匠海に向かって言った。「下へ行きましょう!」

江口匠海は軽く頷き、上着を羽織ると、二人はスイートルームを後にした。

会場の照明は意図的に落とされていたが、江口匠海と田中春奈が姿を現した瞬間、その男はやはりすべての視線を釘付けにした。卓越した気品、長い脚が動くたびに放たれる圧倒的なオーラ。

「江口社長がいらしたわ」

「まさか! 本当に江口社長だ! 来ないと思ってたのに」

「この会場で江口社長に会えるなんて、感激だわ!」

「えっ! 隣に寄り添ってる女性は誰?」

ステージ下では議論が沸騰し、黄色い声援が音楽をかき消さんばかりだ。

田中由衣は両手をきつく握りし...

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