第151章 種を借りたい

ボディーガードが即座に一歩踏み出し、ロープで江口匠海の両手を荒々しく縛り上げる。

「江口叔父さん!」

 その光景を目の当たりにした克哉は、ボディーガードの制止を振り切り、江口匠海のもとへと駆け寄った。

 江口匠海はしゃがみ込むと、自由なままの手で、少年の顔についた血痕を優しく拭い取る。

「克哉、いい子だ。泣くんじゃない。叔父さんは大丈夫だから」

 しかし克哉は彼の首に必死にしがみつき、声を上げて泣きじゃくった。

「江口叔父さん、嫌だ! 連れて行かれるのは嫌だ! ママのところに連れて行ってくれるって約束したじゃないか!」

 江口匠海の胸が締め付けられ、その瞳が僅かに潤む。

 彼...

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