第155章 江口匠海と婚約?

夜の帳が下りる頃、克哉は江口匠海と共にルービックキューブに興じていた。

匠海は根気強く彼を指導しており、その顔には普段見せない優しい笑みが溢れている。

田中春奈はその光景を傍らで見守りながら、胸の奥が温かいもので満たされるのを感じていた。

彼女が江口匠海に惹かれた理由は複雑だが、その中でも特に大きなウェイトを占めているのが、息子への深い愛情と献身的な世話だった。

間近に迫った江口匠海との婚約を思うと、春奈は緊張と不安で胸が早鐘を打つ。

まずは父に伝えて、心の準備をしてもらおうと決意した。

克哉が遊び疲れて早々に眠りにつくと、春奈も自室へ戻り休息を取ろうとした。しかしその時、匠海か...

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