第77章 あまりにも似ている

「マミー、ここ、すごくきれいだね!ぼく、好きだな」克哉は思わず感嘆の声を上げ、その瞳は興奮と好奇心の光で瞬いていた。

「うん、ここは確かに美しいね」大野博はそう言って微笑み、その眼差しにはどこか誇らしげな色が浮かんでいた。

「でも、ちゃんと礼儀正しく静かにしていようね。他の人の邪魔をしちゃだめよ」田中春奈がそう言い聞かせると、克哉は聞き分けよく頷き、彼女のそばにぴったりと寄り添い、一歩も離れようとしなかった。

三人がギャラリーを通り抜けると、夜風がひんやりと彼らの服の裾を揺らした。

「大野博、本当にここで間違いないの?」田中春奈は堪えきれずに問いかけた。その声には、いくらかの戸惑いが...

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