第13章:リース

グレースにキスしようとした次の瞬間、彼女は身をよじって俺から離れ、ベッドから飛び出した。ふらつきながら立ち上がった彼女は、片手で頭を押さえ、もう片方の手でベッドの支柱を掴んで体を支えている。

彼女の顔色がみるみるうちに気味の悪いほど蒼白になり、力が抜けていくのが見えた。俺はベッドから飛び出し、倒れ込む彼女を抱きとめた。腕の中で彼女の瞼がぱちぱちと震え、やがて完全に閉じた。

「グレース?」俺は目を覚ましてくれと祈るように声をかけた。「グレース、俺はここにいる。大丈夫だ」

「誰か!」俺は叫んだ。「医者が必要だ!!」

俺の怒号にも、彼女のぐったりとした体はピクリとも反応しなかった。普段なら何...

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