第15章:恵み

ベッドの中で、私は居心地悪く身じろぎした。体中が痛むのが恨めしい。痛みには慣れているはずだったが、絶え間ない苦痛がなくなったせいか、以前よりひどく感じる。たぶん、体が本当に治癒しかけているからだろう。でも、やっぱり嫌だ。あの激しい頭痛がした時、何か体を壊してしまったのかもしれない。何が起きたのか思い出せないけれど、覚えているのは痛みだけだ。

私は寝返りを打ち、ベッドから這い出した。部屋の隅にある椅子へ向かおうと、強張った体をできるだけ伸ばす。体勢を変えれば、少しは楽になるかもしれないと思ったのだ。

椅子まであと半分というところで、ドアが開いた。リースが軽やかな足取りで入ってくる。部屋越しに...

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