第153章:リース

何時間も寝返りを打ち続けた。目を閉じるたび、親友と兄弟が大地に飲み込まれる光景が脳裏に焼き付いて離れない。これほど眠れない夜は、父さんが死んで以来だった。父の死後の数ヶ月間は地獄だった。ほとんど眠れず、今のこの感覚とよく似ていた。

俺はベッドの反対側に手を伸ばし、グレースの温もりを探した。彼女が必要だった。たとえ彼女自身がそう信じていなくても、「大丈夫だ」と言ってほしかったのだ。しかし、俺の手は空を切っただけだった。弾かれたように目を開ける。ベッドのグレース側は、まったく人が寝た形跡がなかった。部屋を見回したが、彼女の姿はどこにもない。

「グレース?」

まだ睡魔の残る声で呼びかけた。

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