第167話:リース

映画が終わってから一時間ほどが経ち、残っているのは俺たちの小さなチームだけだった。アラナは風船を片付け、ソーヤーはテーブルを片付けている。メイジーとマイケルは残ったアイスクリームを食べていた。そしてグレースは、サミーを背中にぶら下げ、半分眠らせたまま、床に落ちたポップコーンやお菓子を掃き集めていた。俺は、さきほど寝かせた場所で眠り続けているジャックを起こさないよう注意しながら、余分な毛布や枕を拾い上げていた。

「お前たち二人は手伝う気があるのか?」

まだ特別なデザートを堪能している二人のティーンエイジャーに、ソーヤーが尋ねた。

「手伝ってるよ」

マイケルがアイスクリームを頬張りなが...

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