第17章:リース

俺は小さなダイナーの中を見回したが、サンドラの姿はどこにもなかった。実のところ、奥のボックス席に座る一人の少女を除けば、店全体が空っぽだったのだ。その少女は透き通るような金髪で、どう見ても十二、三歳にしか見えなかった。俺は呆気にとられた。サンドラとは何度か仕事をしたことがあるものの、実際に会ったことは一度もなかったのだが、この子供はどう考えてもあの魔女の評判とは結びつかない。俺はてっきり、白髪交じりで皺だらけの老女を想像していたのだ。あるいは、ひらひらしたローブを纏った風変わりな人物か。だが目の前の少女は深刻そうな面持ちで、質素なセーターを着ているだけだ。俺は一杯食わされたのではないかと思った...

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