第181章:恵み

私はビクッと身をすくませた。リースが私のお尻を叩いたのだ。強く、激しく。何をされるか予想もしていなかったけれど、まさかこんなことになるとは。また一発。乾いた音が壁に反響し、一瞬、私はあの地下牢に引き戻されたような感覚に陥った。暗闇への逆戻り。飢えと、痛みへの逆戻り。けれど、実際には暗闇なんかじゃなかった。ただ目を開ければいいだけのこと。私はリースと一緒にいるのだ。お尻はヒリヒリと痛んだけれど、それは本当の苦痛ではなかった。リースが私を本気で傷つけるはずがない。そう気づくと、張り詰めていた気持ちが少し緩んだ。

彼は何度も何度も叩き続け、やがて一定のリズムを刻み始めた。子供の頃にお尻を叩かれたこ...

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