第19章:恵み

ゆっくりと目を覚ました。こんなにも安らかに眠れることや、乱暴に叩き起こされないこと自体、稀なことだった。身じろぎしようとして、自分が動けないことに気づく。目を開けると、アルファ・キング、リースの逞しい腕が、その全裸の体に私をしっかりと抱きすくめているのがわかった。

なんてこと。もし彼が、あんなふうに私に触れていたら? 彼もまた、私がかつていた「群れ」の連中と同じような男だったらどうしよう?

「目が覚めたか」

彼の胸が私の胸に押し付けられたまま振動し、その声は寝起き特有の掠れた響きを帯びていた。

私が彼を見上げると、彼は優しく私の髪を梳いた。

「気分はどうだ?」彼は私をさらに自分の方へ...

ログインして続きを読む