第21章:恵み

窓から身を翻し、ベッドの脇の床に座り込んだ。もう何も見たくなかった。一体、今目撃したあれは何だったの? 正気の沙汰じゃない。一匹だけ? まだ来るの? 私を連れ去りに来るの? 騒動そのものより、その後の静寂の方が怖かった。静けさは、最悪のシナリオを妄想させる隙を私の頭に与えてしまう。何が起きたのか理解が追いつかず、体は不安で震え続け、どうしてもその震えを止めることができなかった。

どれくらい床に座っていたか分からないが、ドアをノックする音に飛び上がった。体が動く限りの速さで立ち上がり、サイドテーブルの上のランプを掴む。部屋のどこに身を置くべきか分からなかった。窓の前にいるべきではない気がしたが...

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