第220章:リース

沈黙は耐えがたかったが、俺には他に言うべき言葉が見つからなかった。少なくとも、彼らが何か質問してくるまでは。そもそも話すことすらためらっていたのだから、求められてもいない答えを自分から差し出すつもりはない。知ったことか。俺は二人の視線を無視して、コーヒーを入れる作業に戻った。背中に突き刺さるような視線を感じながら。

ようやく振り返ると、二人は呆気にとられたように口を開けて俺を見ていた。

「何だよ?」俺は唸るように言った。

「リース……本当に夢を見ていたわけじゃないと言い切れるのか?」

「俺は彼女と一緒に『神々の地』にいたんだ」彼らの深刻な表情に戸惑いながら、俺は答えた。「夢なんかじゃな...

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