第229章：リース

アルファ・ジョージは、国境にある小さな家を俺たちに提供してくれた。少なくとも俺たち六人が過ごすための場所だ。連れてきた残りの戦士たちは、現地の戦士たちと共に兵舎に駐屯することになる。そのほうが早く環境に馴染めるし、警備体制の不備も見つけやすくなるだろう。俺たちが借りた家は普段、来客用ではないらしいが、情勢不安のせいで空き家になっており、拠点を構えるにはうってつけだった。

皆は少し前に休息をとるため屋内に入っていた。俺は、レッドブラッド・パックとゴールデン・パックの領地が接する国境付近に数名の戦士をパトロールに出し、ただ一人、境界線に立って外を見つめていた。もう何時間も動いていない。視界は霞ん...