第251話:リース

地獄のように長い一日を終え、俺はグレースと共にベッドに横たわっていた。二人きりの時間を過ごすのは一生分ぶりな気がしたが、それは少々大げさかもしれない。ヴァンパイアの女王とエララ王女が到着したのは、一時間ほど前のことだ。俺たちは彼女たちを、光を完全に遮断できる地下室へと案内した。あの部屋は、かつてこの屋敷が建設された際、政治的な理由で彼女たちのために作られたものだった。だが、それを実際に使う時が今になって訪れるとは、なんとも奇妙な話だ。

「リース?」ほろ酔い加減のグレースの声が、俺の意識を彼女へと引き戻した。

「なんだい、愛しい君?」

「どうして私の傷跡を気にするの?」

俺は鋭く息を吸い込ん...

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